Kenの漫画読み日記。

餅賢次の新旧漫画情報と懐古(郷愁)他雑感

「高校生無頼控」 原作·小池一雄-作画·芳谷圭児

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 僕が、芳谷圭児氏作画-小池一夫氏原作の傑作青春熱血恋愛劇画「高校生無頼控」をB6判アクションコミックス全8巻で読んだのって、1977年か78年頃かな。勿論、このときが初読で、その後二、三回読み返してるかも知れない。


 僕が少年漫画雑誌ではなくて、青年コミック雑誌を読み始めたのが多分、1976年くらいからだと思う。「高校生無頼控」の初出は、双葉社発行の青年コミック雑誌「週刊漫画アクション」に1971年7月から連載が始まり、誌の73年6月まで連載された。



 1971年から73年までの間は僕は調度高校生の期間だ。僕はこの時期は青年コミック誌や成人漫画雑誌は読んだことない。無論、それまでに本屋の店先でパラパラとか友達の家でパラパラ見せて貰ったことはあったけど。


 高校三年のときに学校に「高校生無頼控」のアクションコミックスの1冊を持って来てる、他のクラスの同級生がいたけど僕はその本は見てはいない。他クラスの同級生の1人がワザワザ僕んトコまで来て「おまえが持って来た本か?」と訊きに来たけど、僕は「違う」と何か素っ気なく答えたのを覚えている。まぁ、特に仲が良い同級生でもなかったし。ほとんど話したことない同級生だった。



 主人公が女にモテモテでエッチなシーン満載の漫画作品だったから、年齢的に性愛に興味津々、女にモテたくてモテたくてしょうがない青春期の少年たちに取っては、非常に関心の強いコミックで、まぁ、あの年齢の少年たちには楽しく面白かった訳です。


 実際、「高校生無頼控」は当時の若者たちに大人気の青春劇画でした。エロさ満載だったし。


 大昔の記憶だけど、僕んトコに漫画「高校生無頼控」のコトを訊きに来た同級生の彼は、高校生“ブライヒカエ”と呼んでいた。僕も最初、“ブライヒカエ”かと思った。後で高校生“ブライコウ”と読むんだけれど。でもやっぱり“ブライヒカエ”で良いのかな?“ブライコウ”と読む人も“ブライヒカエ”と読む人もいるけど。柴田錬三郎さんの代表作の一つ「眠狂四郎シリーズ」に「眠狂四郎無頼控」という作品もあるけど。「コウ」と「ヒカエ」どっちが正しいんだろ?この場合の「控」の意味は“記録”とか“覚え書き”とか“日記”みたいな意味で使われてるのかな。



 僕が漫画「高校生無頼控」をコミックス全巻読んだのって、多分21歳くらいのときじゃないかな、と思う。もう、女にモテたい、女にモテたいと思って仕方のないときだ。まぁ、女にモテたい、とは十代半ば頃に色気付いてから先は二十代も三十代もずーっとだったろうけど。まぁ、男はみんなこれはオスの本能だよなぁ。まだ“草食男子”なんて言葉がなかった時代だし。


 「高校生無頼控」の主人公の少年、“突きのムラマサ”こと村木正人が女にモテモテでナンパの達人で、常に美女をモノにして連載の毎回毎回エッチをしている。青年時の僕は憧れてましたねぇ。俺もこんなふうに美女のナンパに成功して美女と楽しく過ごせないかと。夢でした。勿論、夢で終わったけど。



 “ナンパ”って別に「ヘイ、カノジョ~、一緒に遊ばな~い」みたいな巷でよく見る、軽いノリのチャラい、行き掛かりの知らない女性に最終目標エッチで声掛ける、いわゆる“ナンパ”ではなくて、最終到達地点はエッチと同じコトでも、“突きのムラマサ”の場合は、何か訳有りそうな、何か悩み抱えてそーな若い女性の、困ってる問題に介入して一緒に問題解決に向けて尽力してあげて、立ち直って明るくなったその女性といつの間にか肉体関係に入ってる、という感じの、ちょっと深い意味の“ナンパ”でしたね。


 漫画「高校生無頼控」のストーリーのおおまかな内容は、時代的に大学紛争に没頭したか捲き込まれたか、大学紛争の渦中の中で行方不明になってしまっている、大学生の兄を捜すため、高校を中退して単身、東京にやって来る、薩摩示現流の剣道の達人、村木正人少年が上京の道中や東京に入ってからと、さまざまな美女たちと邂逅し、そこからいつの間にか正人少年と各美女のエッチな関係になって行くお話かな。



 僕が漫画「高校生無頼控」を読み返したのも、もう何十年も昔のことだから「高校生無頼控」のストーリーの詳細なんて忘れきっています。


 ネットで「高校生無頼控」のことを調べると、主人公の捜す兄は、学生運動の過激派のリーダーで警察に追われて行方不明状態になっており、故郷鹿児島で兄の婚約者の女性が重病で明日をも知れぬ命という切羽詰まった状態で、主人公の薩摩示現流の達人の少年、村木正人は兄の捜索に、東京だけでなく、全国を回る旅を続ける話、というコトなんだけど、この漫画の本当のテーマは、女にモテモテ、スケコマシの達人、村木正人少年がさまざまな女性をナンパしてはエッチなお楽しみをして回る物語ですね。



 読者も、剣道の達人の熱血少年がチンピラみたいな連中を叩きのめす爽快感よりも、数々の女をどう落としてエッチ状況へ持って行くかに興味が大きく、そこがこの漫画の楽しみであり醍醐味だったと思う。


 主人公少年が旅して行く間に、エピソード的にさまざまな女性に出会い、各々相手の立場や抱える悩みなどを聞きながらも、論理で押し流していつの間にか肉体関係に持って行く。



 村木正人少年は頭も良くて弁も立つから論理的に、さまざまな相手を納得させてしまう。だからいろんな女性とエッチに入って行くけど、決して無理強いではなくて、最初は戸惑っていた女性たちもいつの間にか正人君に身体を任せてしまう。知らぬ間に女性は恍惚状態で喘ぎ声を上げている。ここんところが読者待望のクライマックスですね、この漫画の。


 掲載誌の漫画アクションもこの漫画も、読者は若い男性が主体で、読者の大半の男ドモは女性への関心がメチャ強くて、とにかく女にモテたくて日々悶々として送っているから、この漫画の主人公のスケコマシ術と成果に、俺もこんなふうにいろんな女とエッチして回りたい、と憧れて読んでたんですねぇ。


 


 まぁ、勿論、これは創作漫画で、実際はそんなにうまく行く訳がないけど、読者男性たちはナンパの成功からの美女たちとのエッチに憧れ夢見た。漫画の主人公の村木正人君からが元から、イケメンで剣道の達人で腕っぷしが強くて正義感溢れる頭の良い少年で、現実にはありえね~って物語ですからね。


 それぞれのエピソードの終盤クライマックスは必ず、美女との肉体関係エッチシーンが盛り込まれる、まぁ、ある意味エロ漫画でもある「高校生無頼控」ですが、表向きのテーマは、あくまで主人公が行方不明のお兄ちゃんを捜す、熱血感動コミックで、各エピソードでは正義感の強い熱血少年が予期せぬトラブルに見舞われ、自慢の剣の腕を奮うアクション場面もある訳です。



 熱血剣道少年の主人公、“ムラマサ”の胸に刻み込んだ信条は“三流主義”で、この三流主義は汗を流し血を流し涙を流す、という熱血漢信条。これは多分、60年代学生運動ブームの若者の熱くたぎる闘争の時代が過ぎて、その反動のように70年代の若者が“三無主義”と言われた。


 三無主義とは無気力、無関心、無責任の意味で、別にその時代の若者が自分らは三無主義だと主張した訳ではなく(当たり前)、そういうふうに世間で呼ばれたということですね。別名“シラケ世代”などとも呼ばれたり。“三無主義”は当時の流行語にもなってましたね。



 流行語の三無主義を否定する意味で、熱血少年-ムラマサは三流主義を掲げて、前向きな行動力を示して熱く強く生きて行ってる訳です。


 高校生時の僕自身は典型的な三無主義みたいな生活送ってましたけど。三無主義の引き籠りみたいなものでした。引き籠りって別に学校へは普通に通ってたし、学校にはいっぱい友達もいて毎日明るく振る舞ってたけど。高校三年間は何か精神的に引き籠ってたかなぁ。別に意識はしなかったけど三無主義は三無主義状態だったなぁ。


 「高校生無頼控」はこういったジャンルを開拓した漫画、というか、熱血感動青春ストーリーにプラス“エロ”を入れて男性若者読者のハートを掴んだ人気コミックですね。ストーリー漫画の体裁で、モテモテ主人公が美人女性と出会い、何だかんだ結局口説いて行き、相手女性たちも気持ちを許し身体も許し、エッチな関係に入る、という、一見ストーリー漫画ながら、その醍醐味は終盤の女が落ちるエロエロベッドシーンだという、爽やかナンパ漫画。


 こういった趣向の漫画作品はそれまでなかった。「高校生無頼控」はこういった爽やかナンパ漫画の草分けの先駆け作品です。言い方変えたら、青春イコール結局エロ、とはっきり示したコミックかな。


 若者どおしの恋愛も行き着く先は結局、肉体関係ですからね。いくら純愛とか言っても。特に男の方はオスの本能で好きになったら、したいしたいになっちゃう訳だし。




※「学校の探偵」2018-3/25 Kenの漫画読み日記。

「学校の探偵」 - Kenの漫画読み日記。


 


高校生無頼控1 (マンガの金字塔)

高校生無頼控8 (マンガの金字塔)

高校生無頼控 [少年向け:コミックセット]

ぶれいボーイ1 (マンガの金字塔)

ぶれいボーイ4 (マンガの金字塔)

ぶれいボーイ [マーケットプレイス コミックセット]

カニバケツ1 (マンガの金字塔)

カニバケツ7 (マンガの金字塔)

カニバケツ [マーケットプレイス コミックセット]

カニバケツ 1 (アクションコミックス)

学校の探偵1 (マンガの金字塔)

高校生無頼控 4 (劇画キングシリーズ)



 漫画「高校生無頼控」全8巻はこれまでに三、四回くらいは同じものを読んでると思うけど、最後に読んだのだってもう何十年前のことで、大まかなストーリーはぼんやり覚えてて、何ヵ所かは印象に残ったシーンをおぼろに覚えてたけど、詳細どころかそれ以外ほとんど忘れきってた。


 で、「高校生無頼控」を読んでみた。電子書籍で。でも最初の1巻全部と2巻の途中まで。すっかり忘れてたけど、ああ、こういうシーンがあったんだな思い出した、というところもほんのちょっとはあった。


 「高校生無頼控」は、何十年も前に読んで覚えてたイメージとだいぶ違ってた。エッチなシーンはたいしたことない。エロ漫画とはほど遠い、そのエピソードごとのヒロインとエッチに至るシーンと肉体関係シーンは描いてるけど、ほんの何コマかだね。別に詳細にエッチなシーンを描き込んでる訳ではなく、1エピソードが30ページくらいあるとするとほんの2、3ページくらいか。エッチシーンの大画面もあるけど、イメージ描写っぽい描き方かな。


 村木正人少年は高校生の年齢だけど大人びていて、ハンサムで男らしく一本筋の通った芯の強いとてもしっかりした子で、剣道の達人で喧嘩が強く、頭が良くて機転が利いて、メッチャ弁が立ちどんな相手も論理的に言い負かす。また高校生のくせに法律に強くて特に刑法をよく知っている。これは原作者の小池一夫先生が中央大学法科出身ですからね。主人公はこれは絶対モテるという万能少年のヒーローですね。


 上記で“ナンパ漫画”と評したけど、これは思い込み違いで、口説いて口説いて相手に納得させてエッチ関係に入るような“ナンパ”ではなく、モロに強姦に入るような凌辱行為の多い漫画ですね。


 エピソードエピソードごとのヒロインの美女たちを、ほとんど毎回、襲い掛かって否応なしに肉体関係に入る。最初は拒む毎回のヒロインたちも屈強な男性のムラマサの体力に負けて犯される。けっこう暴れたりするんだけどブチュウってキスしてたりして、何か観念したのかムラマサに肉体を任せてエッチ行為を続けてしまう。


 で、初めは拒んで抵抗してたくせに行為が終わるとカッコ良いムラマサに惚れてしまう。あれだけ拒絶してた相手なのに一回の行為のあとは、もうムラマサとその都度都度のヒロインは恋人どおしみたいに仲むつまじくなってるんだよね。


 まぁ、ムラマサは力ずくで女を犯すけど、殴る蹴るの暴力は振るわないなぁ。ただ、一回、抵抗する女を殴ったあと犯す、モロ強姦もあったな。


 この漫画、女性側からしたらこういう描き方は腹が立つんじゃないかなぁ。特に今の女性は。90年代以降の女性たちが読んだら拒否反応示すだろうなぁ、と思う。こういう描き方は絶対怒り出すと思うな。


 この漫画が描かれたのは1971年だからなぁ。


 昭和の昔はよく「押し倒してヤッちゃえ」って言われてた。相手が拒否してても無理やり肉体関係持ってしまえば相手は落ちる、って言い方。今だったらモロに犯罪だけど。昭和でも犯罪だったろうけど。


 昭和の時代は強姦されても訴え出る女の人はほとんどいなかったって言うしね。女の人が弱かった時代。70年代のウーマンリブとか女権拡張運動が世界的に起きて日本の中も運動が活発になり、社会の意識がじょじょに変わって行った。


 なかった女性の権利も社会的に拡大して行った。1985年の男女雇用機会均等法の制定とか法的にも整備されて行ったし。女性が無理やり凌辱される犯罪も被害者の方に寄り添った取り調べや裁判がされるようになって行ったし。


 昭和までは、まだ貞操観念というのがあった時代で無理やりにでもそれが折られてしまうと女性は諦めてたのかな。昔は、最初は女の人の方が抵抗して拒むのを男の方が力ずくで無理無理エッチをして最後まで行って、その後、結局その二人は結婚したって話を何度か聞いたことあるもんな。女性が諦めて降りてたのかどうなのか。


 ムラマサみたいに襲い掛かって、抵抗する女を最初は力ずくで無理やり犯して、そのあとは、一回エッチ行為のあとは、女の方が無理無理抱いた男に惚れてしまう、というのは当時の男たちの思い上がりだったのかな。今の時代だったら、拒否してるのに無理やり犯して来た男を一回エッチしたあとに惚れてしまう、なんてことは先ず有り得ないよな。


 まぁ、よっぽどカッコ良い男で本音はそのカッコ良さに「イイ男ね」と、ちょっと参ってる気分だけど立場的に拒否する態度取ってて、無理やり犯されて本音がストレートに表面に現れて惚れました、というケースもあるのかも知れないけど。やっぱ、今の時代は女の人は無理やりエッチなことされたら先ず怒るよなぁ。かなり激怒するよなぁ。


 主人公ムラマサの行方不明の兄は、学生運動·過激派の大幹部で警察に指名手配を受けて捜索されている。故郷·鹿児島の兄の婚約者は難病で床に伏したまま余命一年くらいの状態にある。この婚約者はムラマサの初恋の人でもある。死ぬ前に一目、婚約者に会いたいという初恋の人の願いを叶えるためにムラマサは単身、行方不明の兄を捜す。


 ムラマサの目的は、兄を捜し出して自首させ罪を軽くし、保釈金を払って兄を鹿児島に連れて帰ること。保釈金の大金も道中、いろいろな方法で金を稼いで行く。ココも漫画の面白いところですね。


 熱血ストーリー漫画「高校生無頼控」はこの一本の縦軸に沿って物語は進む。


 でも漫画の醍醐味はムラマサの行く先々で出会うたくさんの美女たちとエッチな関係になること。モテモテなムラマサだけど、かなり強引な方法で相手の女性たちを惚れさせる。この漫画はココに人気があったんですねぇ。


 ムラマサは過激派大幹部の兄を捜索する警察捜査本部の部長とも連絡を取り、行方不明の兄と繋がりの有りそうな学生運動グループへの潜入に成功する…。・・・


 コミックス単行本全8巻もあるのに、2巻の初めの方でもう兄の行方を知ってそうなグループと接触する。この兄の捜索という本筋だけで全8巻の長さをもたせられるのかな?と疑問に思ってしまう。


 もう「高校生無頼控」の物語の流れなんてすっかり忘れきってしまっている。昔、三回は全編読んでると思ってたのだが。何十年も経ってるからなぁ。ただ自分が若かった昔のあの頃はモテモテのムラマサに憧れてたんだろうなぁ。俺もこんなふうに美女にモテモテの青春を送りたいと。勿論、夢見ただけで終わってるが。


 「高校生無頼控」コミックス分第1巻を読んでて何故か吉田拓郎さんの昔々の若いときの曲、♪からっ風のブルース を思い出した。吉田拓郎さんの1973年6月リリースのアルバム「伽草子」のA面1曲目の曲。


 だいたい漫画「高校生無頼控」と同時代の曲になるけど。「高校生無頼控」の方がちょっと先になるけど。


 漫画「高校生無頼控」は三回、1972年73年に実写で劇場版映画化されてるけど、勿論、♪からっ風のブルース はこの3本の映画の主題歌や挿入歌になってる訳ではなく全然関係ない。


 ♪からっ風のブルース は吉田拓郎の作曲だけれど歌詞の作詞は岡本おさみ氏。



高校生無頼控2 (マンガの金字塔)

高校生無頼控3 (マンガの金字塔)

伽草子