湧き上がる大ロシア民族主義
インタファクス通信によると、ロシア軍戦略ミサイル部隊は28日、大陸間弾道弾(ICBM)「トーポリ」の打ち上げ実験を行った。ロシア北部のプレセツク宇宙基地から打ち上げ、6000キロ離れた極東・カムチャツカ半島の演習場の標的に命中したという。同ミサイルはミサイル防衛(MD)システムに対抗する装置を備えているといい、グルジア問題で対露圧力を強める欧米諸国を意識した実験とみられる。
ロシアが危険な臭いだなあ。世の中の感じとしては、北京オリンピック前までは、中国が危険な国の感じだったが、オリンピック準備段階から現在、終わってみれば、中国は案外、そう、恐くないイメージになって来た。
何か、このところロシアは嫌な臭いをさせて来たぞ。多分、ロシアはソ連に返り咲きたいのだろう。ソ連崩壊とその後の経済的困窮は、大ロシアに取って、つまりロシア民族に取って屈辱の期間だったのだろう。その耐え抜いた屈辱の十数年間の期間を拭い去りたいのだ。多分、その間、ロシア民族の首脳部、支配層は、はらわたが煮えくり返る気持ちをじっと耐えていたのだ。そして、今、強大な資源力を背景に、再び国力を盛り返し、経済的に圧倒的な力を持って来た。今こそ逆襲の時なのだ。ソ連の時と、大ロシア帝国の時と、同じ権勢を取り戻したいのだ。
資源ナショナリズムというが、ロシアは民族主義国家なのだ。ロシア民族ナショナリズムが盛んなのだ。多分、大ロシア帝国やソビエト連邦の時の誇りがあるのだろう。もう一度、覇権国家になろうとしているのだろう。
でも結局、中国における漢民族の優位性と似てるよなあ。同じものだ。もう一度、旧ソ連のようなロシア圏を作りたいというのなら、多民族国家、中国での漢民族支配と同じものだ。大中華思想、大ロシア主義、同じものだ。我々、日本人から見れば時代錯誤にも思えるけど。
人間は変わらないね。20世紀にあれだけさんざん殺し合いを、世界中で何百回何千万何億、と人間どおしの殺し合いをして来て、21世紀に入ってもまたすぐにあちこちで大きな殺し合いをやってる。大掛かりな大量殺戮兵器を揃えて、いつでも戦争が出来る準備をしてる。人間は全く学習しない。変わらない、同じだ。
昔、ソ連崩壊時頃なぞ、ロシアには豊富に資源が眠っている、と言われていた。だが、その眠っている莫大な量の資源を掘り起こす技術を持たないのだ、と。現在の巨大な資源は、欧米など西側の技術があってこそ、開発できたのだろう。それで、その開発で得た強大な資源力で力を着けたら、今度は西側と対立する。
昔、冷戦構造に入った時、欧米でいっぱい終末SFが書かれた。50年代前半頃から始まり70年代初め頃まで続いた、第3次世界大戦の核戦争と、その後の荒廃した地球の物語だ。60年代に特に終末SFは隆盛だった。その頃の子供の僕たちは、いつか世界的な(米ソの)核戦争が起こって、地球は壊滅的状況になるに違いない、と怯えたものだ。
それが80年代に入ると、いつしか核戦争の恐怖なぞみんな忘れ去り、SFもサイバーパンクムーブメントといういわば電脳ブームになった。SF映画も、核戦争は描かなくなり、「ターミネーター」や「マトリックス」に代表される、未来の、コンピューターやロボットによる人類支配を描くSFホラーになった。
「ターミネーター3」で、主人公の青年は、時が来ても人類終末の予兆は何も来ないと安心しきっていたけれど、その安心を裏切って、未来よりスーパーロボットの殺し屋がやって来、ついに人類は世界規模の核爆発を起こし、結局、地球は壊滅的状況になってしまうこととなる。勿論、これは娯楽SFアクション映画だ。作り事のエンタティンメントの世界だ。
冷戦時代、我々は常に核戦争の恐怖を抱き続けていた。米ソが惹き起こす、地球規模の壊滅的状況を呼ぶ、核戦争が起こる可能性が無いとは決して言えない、そういうあやうい中で世界は生き続け動いていた。やがて核戦争の脅威を忘れていた。そして共産主義が滅び、ソ連が解体し、ロシアは貧乏になり困窮した。まあ、勿論、この時点で旧ソ連領にある核爆弾が火種を持つ国々へと流されて行くのではないか、という不安はあったが、とりあえず、我々は、米ソの対立構図が無くなりホッとした。しかし、解らない。ロシアがまた力を取り戻し、元の体力に返り咲いて来た。「ターミネーター3」で、危機は来なくて人類滅亡の心配はなくなったのだ、と安心していたら、結局世界的な核爆発が起こったように、世界的な核戦争の危機は無いと安心していたら、実は21世紀に入ったこれから、第3次世界大戦が起こるかも知れないのだ。
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